2011 せめんとくん

取材班は見た!!世界が揺らぐやもしれない の巻

取材班は、職業柄PCに向かうことが多い。その日も最新のニュースを閲覧し、何かスクープの元になるような情報がないか、ネットで検索している途中だった。どこかで事故があった、子供が指を挟んだ、隣国との嘲笑合戦…。どれもネットが発達してひどく虚飾された情報ばかり。ネットを徘徊するというのもあまり楽しいものではないと思いながらページをどんどん飛ばしていた。しかし、あるページを開いたとき、私のカラダを不安と期待が駆け巡った。そう、彼らだ。彼らの拠点とも言えるべきtwitterを見つけてしまったのだ。そしてそのtwitterの内容に恐怖した。これから起こりうる恐怖と、絶望を少しでも緩和することできるように、その内容をキャプチャーした画像を皆に公開することにする。

取材班が凍りつく!!Twitterの画面で何かをすることを知る の巻

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どうだろうか。
これは彼らが毎月年末に行うある悪しき行事の内容を検討しているところである。スクープの臭いだ。。こんなに濃密なスクープの臭いはいまだかつてあっただろうか?いや、ない。これは大事件になるだろう。私たちは、すぐさまカメラとボイスレコーダーを持ち、慌てて車を大阪市西区京町堀近辺へと急行した。

突撃取材!!生着替えを覗き見る の巻

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現場に到着した我々が目にしたのは、裸の男女入り乱れるショッキングな現場であった。しかし、よく見るとどこかで見た事のある姿である。こ、これは……ま、まさか……!!

せんとくんではないのか!!??

どうやら彼らはせんとくんのコスプレをしているようだ。自分の極部を突き出し指差ししてどや顔のYのべ氏を筆頭に、普段、仲間同士でなれ合う事などあまりしない彼らが和気あいあいと平等に助け合い着替えている。こんな仲良くしているところを初めて目撃するわれわれは動揺した。この行動は私たちを騙し、かく乱させるためのフェイクだろうか。
しかしそんなことを考えている暇はない。これから起こる全ての事象を私は伝えなければならないのだから。

彼らの皮膚にはファスナーがついている の巻

一つ注釈しておこう。私たちが撮影し、ここに掲載している写真には全て加工がほどこしてある。なぜか?それは彼らが生まれたままの姿だからである。
彼らは全身タイツのようなスーツを着用しているのではない。これらは全て彼らの皮膚である。つまり裸に近い服装の彼らは「B地区」が丸見えなわけであって、健全な取材を目指す我々にとって障害となる[Btiku]は排除しなければならないものである。全てをありのまま伝えることができず不本意ではあるが、ここに掲載する画像は全て「押しボタン」は削除されていると思っていただきたい。

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つまりこのちょっと雰囲気よさげに撮影された「全身タイツくん」も「全身タイツっぽいくん」であり、血のにじむような画像加工の果てにできた戦慄のパッケージなのだろう。そんなことを考えつつ、同時に、彼らが公然わいせつ罪で捕まるのではないかと不安がよぎったため、彼らに聞く事にした。
取材班「そんな装備で大丈夫か?」
彼ら「大丈夫だ。問題ない」
その力強い言葉に彼らの意思の固さを感じることができた。

筋肉をアピールするK代表 の巻

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着替える過程で、なぜか全裸で筋肉をアピールしだすK代表。
「最近体脂肪が一桁になってさ。ほら、ジムとか通ってるやん?やっぱりできる男はカラダもできてなあかんし、女喜ばせようと思たらいろいろせなあかんやん?ハムストとか鍛えよとか思ったら、、え?ハムストって何って?自分そんなんもシランの?ハムストやんハムスト。ハムストリングスですやんか。簡単に言うとモモ裏の筋肉や。覚えときや。自分ら朝から夜までずっと椅子に座ってばっかりおるからそんなポチャポチャなお腹になるんやんか、ブハハハ」
自らデザイン事務所を経営しながらデザイナー達を愚弄しだすK代表。それを聞き、あるデザイナーがつぶやいた。

「KY代表…」

彼らの中で内部分裂が起こり始めているのだろうか…?

太古の文明地 奈良へ の巻

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着替えを終えた一行は、車で高速にのり、奈良方面に向かいだした。どこに向かうのだろうか…?
気づかれない程度の距離で尾行をつづけること一時間。奈良にある新大宮の駅で彼らは停車した。
そこで奈良県民で今回地元だから恥ずかしくてイヤイヤと連呼していたF口氏、東京から直接奈良に乗り込んできたC星氏の2名と合流。そのまま大型飲食店舗に乗り込み食事をするようだ。しかし、

「11時からやって。仕方ないね」

仕方ないね?
彼らにしては生温い言葉だ。その言葉にしこりを残しつつも、
どうやら店はまだ開店していないようで、それを不満に思う彼らはその駐車場を不法占拠しだした。
まるでどこぞのたこ焼き屋のように、タバコなどを吸いつつたむろしている。彼らに法は通用しないのか?

新人T橋遅れる の巻

「よし行くぞ。」K代表がおもむろにつぶやいた言葉で全員が動き出す。どうやら再度新大宮の駅まで向かい、1人遅れた新人T氏をピックアップするらしい。 今年もまた、1人遅れたのか…ここ数年、新人と呼ばれる雑巾のように扱われるカテゴリの人々の1人が遅刻するという事態が続いている。我々もその現場を何度もスクープしているが、遅刻したものの末路は…ここでは言えない…数分後駅の方から声が聞こえた。

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「スイマセン!ごめんなさい!寝坊しちゃいました!」
へりくだった姿勢の小走りだが、明らかに笑顔がこぼれた顔で駆け寄る新人T氏。笑うとは…明らかに馬鹿にしているではないか。しかも謝ったくらいで彼らが許す訳が無い。かわいそうにこの子は、これからの人生を生きるという気力がなくなるくらい虜辱され、蹂躙される。。私はまた凄惨な事件現場を目撃することになるのだろうか…
「いいよ、大丈夫!」 「眠たいのは仕方ないよ!」 「生きてる限りミスはあるさ!」 「だれも悪くないよ!」 「K代表が悪いんだよ!」 「上司のC星氏が悪いんだよ!」
…先程の仕方ないね。発言に続きやはり何かがおかしい。最後あたり以外、いつもは聞き慣れない言葉が発せられている。仲間内にも容赦のないいつもの行動からすると、こんなにも朗らかな彼らを見た事はない。しかも何か彼らの背中辺りから光が漏れている。彼らになにが起きているのだろうか…
しかし、恐れずに言わしていただくと、彼らは善ではない。悪である。 彼らが放つ光に、少しでも「安息」「慈悲」といったものを感じしてしまった自分自身が許せない。 気を引き締め、再度密着取材し、スクープを激写する意思を固めたのだった。

平城京到着 の巻

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全員が合流した彼らを追うこと10分。彼らはおもむろに平城京に乗り込んでいった。おそらくここが最終目標の場所と考えて良いだろう。彼らは、せんとくんの姿をし、平城京で何をしようとしているのだろうか。既に遷都1300年祭は終わっている。テロをするなら祭の期間中にするはずだ。そして道具を下し、彼らは徒歩で大極殿まで歩き出した。

彼らは何をする気なのだろう…。

もはや彼らには恥やモラルはないのか の巻

その場所で当然のように、彼らは生まれたままの姿をさらけ出し始める。人様に見せられるようなものではないのにも関わらず、穏やかな笑みを浮かべながら。
いくら過酷な労働で働いていようが、彼らには家庭がある。帰りを待つ家族がいる。支え育ててていくべき子がいる。何にも代えがたい大切な人がいる。当然、いない人もいる。
そんな彼らが生まれたままの姿に戻っていくではないか…!!し、しかも、今までは髪の毛で覆われて気づくことがなかったが、彼らには立派な“角”が生えているではないか。

いや、はみ出してますよね の巻

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F口氏の頭から毛が、U氏のあごからヒゲがはみ出している。みっともない姿である。私が写真に収めていると彼らが気づき、平然とした顔で応えた。
「あごからあごヒゲが生える。至極当然のお話なのですが」
「あなたの頭の皮膚から毛が生えていますが何か相違がありますか」
しまった。彼らのこのスーツっぽいものは皮膚であることを忘れていた。しかしなんて流暢な言葉なのだろうか。

好物は女性の個人情報のハズが! の巻

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彼らが着替えている最中に、とある婦女子達が「写真とってくださ~い♪」と近づいてきた。いけない。女性が彼らに近づいてはいけない。これまでの経験からすると、近づいた女性には個人情報を根掘り葉掘り聞き、そしてつきまとい、精神に支障をきたすまで追い込む。今すぐ彼女たちを救わなければ!私たちが救援に向かおうとするその瞬間。「はいニルヴァーナ♪」

見えるだろうか。写真の奥で婦女子達に撮影され、喜んでせんとくんポーズをとっている彼らの姿が。 しかもかけ声が既に悟りを開いている。 あり得ない。今日の彼らの行動は異質である。先程の新人T橋氏が遅れたときといい、 …まさか、せんとくんに仮装することで、彼らの心が神っぽくなるという異変が起きているのだろうか?

しかし撮影し終えた婦女子達や、周りで平城京を撮影する人々に対して、
「これから私たちの涅槃会がはじまります。そこをおどきなさい」
ありがたい言葉を選びつつも「俺様たちが使うからそこをどけこのカスが」という強制的な言葉を発し威嚇して回る彼ら。外見や表層に変化は見られるが、内面の奥底までは変わらないようだ。

彼らの威嚇により、恐怖のあまり誰もいなくなった大極殿の前で、ついに彼らが動きだした。
おもむろに、しかしあらかじめ決められたかのような位置取りでキレイに整列をし、静まり返った。
これは何の儀式であろうか。このような儀式は見たことがない。

そしてついにその瞬間が訪れた。
なんだこの目の前に広がる
平和?いや、違う。祝福?それも違う。博愛?違う!

この感情は…
気付いたら私の頬には一筋の涙が流れていた。
決して悲しいのではない、そう、「許された」のだ。
私が生きてきたことの全て、そう私の存在を今許された。
とめどなく流れる涙とともに、私は両手を目の前で合わせた。
この気持ち…、この許された気持ちを皆にも感じてもらいたい。
私が無我の境地で撮影した、たった一枚の写真。。それを公開したい。

さぁ、心の準備はできているだろうか。
そして、許される事の罪深さと、許される事への喜びを感じてもらいたい。

あけましておめでとうございます。

さて、今年11年目を迎えた弊社ですが,こんな時代だからこそ平常にいるよりも、平常に染まらない人間で居続けたい。攻める人でありたい。そのような想いをこの年賀状メイキングに重ねてみました。寒い冬の空の下、全身タイツ一枚で撮影に望み,異物が混入した平城京に対して、見学者の方に冷たい目線と温かい目線を同時にいただきつつ、なんとか綺麗な一枚をおさめることができました。皆様からは是非温かい目だけをいただきたいものです。

といったところで、弊社からの新年のご挨拶です。

今年もこれからも、1300年後もCEMENT PRODUCE DESGINを宜しくお願い申し上げます。

やまちゃんのポーズショー(おまけ)の巻

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SPECIAL THANKS.

他意はございません。もしもご気分を害された方申し訳ございません。また各関係者の皆様には深くお詫び申しあげます。Respect for Twitter, せんとくん. The shooting location was 平城京.