石川県山中温泉にて山中近代漆器を販売されていらっしゃる、株式会社いけだ様の近代漆器を使った現代のライフスタイルに向けたオリジナルブランド、iroikoiのブランディングデザインを担当させて頂きました。
iroikoi(いろいこい)は、生活の多様性が進むこれからの時代に向けて、優しさと鮮やかさを兼ね備えた侘び寂びのある色彩で、部屋の空間に憩いのアクセントを施すライフスタイルブランド。450年以上の歴史を持つ山中漆器の吹き付け塗装技術を受け継ぐ、近代漆器の新しいカタチ。変わりゆく日々の暮らしの中に寄り添う、憩いの彩りを送る事をコンセプトにいけだ様と共に開発させて頂きました。
_石川の情景をモチーフにしたデザイン
通常の近代漆器よりはるかに多い製造工程を経て、それぞれ石川県加賀市で見ることのできる美しい景観モチーフにしたデザインに仕上げました。
_鶴仙渓
山中温泉に沿って流れる大聖寺川の渓谷の美しい緑をモチーフにしたデザイン。アクセントカラーに鶴仙渓の川床に立つ赤い傘を彷彿とさせる変わり塗りを施した、侘び寂びのあるデザインに。
_晩夏
石川県の加佐の岬から見える夏の夕暮れをモチーフにしたデザイン。夕日と海の色が混ざり合う情緒的な世界観は、窓から差し込む太陽や、夜の照明に反射することでより一層美しく輝きます。
_雪景色
山中温泉の川の雪景色をモチーフにしたデザイン。シンプルでありながら奥行きのある白と青のグラデーション。静かな冷たい氷の世界に反射する、光や雪を感じさせる美しい佇まいに。
_Craftsmanship
山中近代漆器は、古くから伝わる木地挽き、漆塗りの技術を継承しつつ、プラスチック樹脂にエアスプレーでウレタン塗料を均一に拭きかけ、むらのない光沢を次々と生み出していく山中漆器です。大量生産を得意とし、お椀であれば、内側と外側それぞれに塗布する時間は1個あたり数秒ほどで塗り終えますが、塗料に凹凸がないか、どの角度から見ても同じ光沢があるか、ほこりや塵など異物がついていないかなど非常にシビアで精巧な仕上がりが求められる、山中漆器を代表する工芸として現代にも伝えられており、日本中の食卓で山中温泉で作られた近代漆器が使われています。
いけだ様の商品も多数手がけられる、山中の近代漆器を代々継承する荒家塗工の職人様と一緒に、新たな近代漆器の可能性を模索して誕生したのが、iroikoiです。
カラー、吹付けるグラデーションの量、そして最後にまぶす粒模様の細かさまで美しさを追い求め、何度も職人の方に試作をして頂きました。
何度もお願いしてご迷惑もおかけしてしまい…この記事を書かせて頂いてる担当デザイナーも、いけだ様、荒家塗工様との商品開発を通じて、反省と改善、成長を繰り返し、貴重な体験ができました。
改めまして、素晴らしい仕上がりにして頂いた荒家塗工の宮木様に、この場を借りて御礼申し上げます。
本当にありがとうございます。
_Logo Design
ネーミング、ロゴデザインも弊社で担当。
彩りによって生まれる憩いを届けることを願い、彩+憩いでiroikoiとネーミング。ロゴマークは美しいウレタン塗装を想起させる筆記体のオリジナル書体と、iroikoiに隠された三つのi(いけだ様、いろ、いこい)を繋ぐように描かれたスクリプトが特徴的なロゴマークに仕上げ、メインターゲットである女性に愛されるような美しい仕上がりを目指しました。
_Gift Show
2022年の東京ギフトショーにも出展。
カタログデザインとブースの設営ディレクションも担当させて頂きました。
iroikoiはコトモノミチ公式通販サイトでも販売中。
400年の歴史を持つ山中漆器から生まれた新しい可能性を、ぜひ体感してください。