te saho / 久保柳商店

te saho / 久保柳商店

日本各地の職人の「手技」を纏うレザーブランド

江戸、明治と皮革産業が発展してきた「革の街」台東区 、浅草にて天然皮革卸事業を営む創業80年を越える株式会社久保柳商店。常時200種1,000色、約13,000枚という在庫を誇り、革を知り尽くした久保柳商店が、革の新たな可能性を求めて立ち上げたレザーブランドを開発しました。

天然染料を用いた日本の伝統的な染色技法をはじめ、異素材との組み合わせなど、各地の職人の手技と、久保柳商店による長年の経験を活かした厳選された革が融合し、日本ならではのJapanese Leatherを生み出します。

プロジェクト概要

Task -課題-

  • 近年の皮革産業に対する世の中のイメージの変化
  • 国内のタンナー(革原料製造事業者)の減少
  • 同業他社との差別化が困難となってきている

Goal -目的-

  • 自社の特徴を打ち出したブランド確立による差別化
  • 世界に対してアプローチできるブランド立ち上げによるマーケット拡大

Approach -アプローチ-

  • 国内のタンナーとのつながりを生かした日本ならでは特徴を生かしたレザーブランドの立ち上げ
  • 国内展示会への出展
  • 台湾展示会への出展
  • 越境ECを見越したブランドサイトの開設
  • te sahoブランドの革素材のコラボ企画を各社へ提案

デザイン

ブランディング

墨田区の「新ものづくり創出拠点」事業の拠点である弊社東京事務所にて、地元金融機関である東京東信用金庫のご協力のもと、デザインの力を活かした産業の振興に取り組むプログラム「TOKYO CRAFTSMEN STUDIO」を通じて、ブランドコンサルティングを行います。久保柳商店さまはプログラムと並行して個別契約を交わし、ブランディングを全面的に弊社と進めてゆくことになりました。

整理→久保柳商店の未来を探る

久保柳商店さまの歴史、強み、など会社の棚卸しと、革業界の棚卸しを行い整理します。その整理した資料をもとに、久保柳商店さまが今回の新ブランドを通してどこを目指すべきなのかをポジショニングマップの作成や革だけではなく紙、木材、繊維、建材を含めた競業調査をするなど、久保柳商店さまと一緒に行くべき先を紐解いていきました。

 

コンセプト設計

久保柳商店さまの強みである「開発力(=研究開発力)」を活かし、業界に縛られない「久保柳商店の革」というポジションを確立し、これまでの取引先である国内アパレルメーカーやレザークリエイターとは違う新たな取引先(例えば海外、建築、インテリア内装・装飾など)に向けた商品ブランドを目指したコンセプトを考案しました。

ブランドネーミング

意味が想像しやすいもの、覚えやすいものを意識しなるべくシンプルに、また海外販売も視野に入れた日本感のある言葉のチョイスなどを踏まえて決まったネーミングは「te saho(テサホー)」。その名の通り「手作法」をローマ字表記したもので、日本各地の職人の“手”わざをブレンドさせることで、革を新たな素材へと導く行為は、久保柳商店さまだからできる作法である。といった意味を持たせたネーミングです。

 

ロゴデザイン

前段で設定した「日本の伝統技法の掛け合わせ “革に重ねる手わざを極める”」というコンセプトとネーミングに込めた想いをロゴデザインで表現します。洗練された手わざ、鮮やかな色合い、革のしなやかな様子をタイポグラフィーで表現し、シンプルで主張し過ぎないが、どこかしら存在感を感じさせる様子にすることで、侘び寂び、心、精神など日本ならではの感覚を想起させるデザインのロゴです。

 

キービジュアルデザイン

各地の職人が革を加飾しているシーンを日本画をイメージさせるタッチのイラストでキービジュアル全体を彩り、中央には出来上がった革を集めて丸革のシルエットを表現しました。te sahoの革が、日本の伝統的な職人による“手わざ”を掛け合わせて生まれた日本を代表する唯一無二の革であることを宣言したビジュアルです。

プロダクトデザイン

あくまでte sahoは革そのものを売ることを目的としたブランドなため、te sahoの革がどんなものなのかを知ってもらう広告的な役割を持たせたプロダクトにしたいという想いがチームにはありました。そういった想いから、出来上がったプロダクトは、縫製や金具が一切ないte sahoの革だけで構成されたカードケースです。日本各地の職人の手わざがかけ合わさった商品は、見た目、風合い、肌触りが異なり、選ぶ楽しみを与えてくれます。

 

パッケージデザイン

パッケージを通してそれぞれの革の特徴が伝わることを目指し、それぞれの革のテクスチャーが入ったステッカーを合わせることで商品の特徴とte sahoのバリエーションの豊富さを感じさせてくれるのと同時に、まるで「革そのもの」を選ぶのと同じような感覚でパッケージを眺めてもらえたら・・・という思いを込めたデザインです。

 

カタログデザイン

商品をより詳しく知っていただくためのツールとしてカタログはとても大切なツールの一つです。これからさらに商品の数が増えていくことを想定し、商品1つにつき1枚ものの仕様で作成し、それをファイリングすることで常にアップデートされた状態のものをお客様にご提案いただける仕様にしました。

国内展示会への出展

te sahoの認知を広げるプロモーションの一つとして東京ギフトショーへ出展しました。ブースは顧客視点、営業視点、利便性、などを考慮した上で、te sahoの世界観を壊さないデザインの中で、革の存在感や上質感など特徴や伝えたいメッセージが伝わりやすいデザインに。

技法ムービー

ムービーは言葉がなくても伝わるとても有効なプロモーションツールの一つです。実際に現場へ足を運び、それぞれの商品に込められた職人の技術の背景を記録したムービーを作成しました。どういった場所や環境で、どんな職人がどうやってこのte sahoの革を作っているのか、実際に足を運ばなくても伝わる動画にすることを目指して作成させていただきました。

https://www.youtube.com/watch?v=kVgqO0FBpI8

ブランドサイト & ECサイト

オンライン機能を持つte sahoのブランドサイトを作成させていただきました。加飾の「技法」と職人の「手わざ」に着目し、それぞれを写真を交えてしっかり説明してあげることで、革に隠れる開発の背景や技術をしっかりとユーザーの方々に知っていただくことを目指しました。

https://tesaho.com

プロモーション活動

CEMENTが参加する数々のイベントを通してte sahoの共感度や認知度のアップを目指します。

販路拡大・海外進出

CEMENT直営店「coto mono michi」や海外の展示会でお披露目し販路拡大の支援を行います。