その日も穏やかな一日の始まりのはずだった…
この日もここ、セメント大阪総合本部ではタフな一日が始まろうとしていた。いつものように出社するセメントの面々。その顔には年末の査定やボーナスの不安な様子など微塵も感じない、実に精気と気迫に満ちた顔つきである。さすがは元祖体育会系デザイン事務所。彼等に気負いはない。あたたかな日差しに包まれた年末の穏やかだが充実感に満ちた一日が今日も始まろうとしている。
緊迫する本部…
日々デザイン業務の間に巨人の駆逐事業を生業としているのが、このセメントプロデュースデザインだ。 無尽蔵のスタミナを持つ屈強なスタッフが揃い、昼夜を問わず業務に励んでいる。日々、煌煌と窓明かりが漏れ続けるオフィスを見ては、“京町堀の不夜城”や、“なにわ筋沿いの虎の穴”と近隣住民から噂されているとか、いないとか。
さて、作業に集中し、キーボードを叩く音だけが静かに鳴り響くオフィスでは、スタッフ全員に支給されたiPhoneが一斉に鳴り響く。このアラームは緊急巨人速報の音色だということは言うまでもない。※巨人からLINEが飛んできたわけではない。
K代表がiPhoneの画面を見て驚きの表情を隠せていないのが見て取れる。自身が見事にフライデーにすっぱ抜かれたあの時のような表情が印象的だが続いて参謀S中も安定の表情を見せる。
果たして何があったのだろうか。
代表の号令のもと大至急現場に向かうセメントの面々
K代表の合図のもと、現地へと向かうメンバーたち。久しぶりの出陣とあってか各自緊張を隠せない様子だ。前職東インド会社で香辛料を売りさばいていたマネージャーM嶋もその一人。ただ、前職で覚えた護身技「ヨガ・フレイム」があるからと密かな自信も漂わせる。
とにもかくにも現場へと向かう。目的地はどうやら大阪城のようだ。あんな観光名所に巨人など現れてみればひとたまりもない。メンバーを乗せたバンは一路、大阪城へと向かうのであった。
バンのドアを開け、驚く参謀S中の視線の先には…?!
黒く光沢のあるヌメッとした表面がなんとも艷やかしい皮膚で全身を覆われているではないか。それに加えて、特徴的な頬の紅色となんとも言えない口の開き方。意識している…。
明らかに意識している…。あの国民的キャラクター「く◯もん」ではないか。いや、くま◯んにしては頭身が整っている。おもむろにファイティングポーズを決めるくまも◯までいるではないか。
これはもしや、くまもんをも凌駕する生命体
あの伝説の攻撃型巨人の一種…
攻・め・も・ん!?
強引なキャラクター設定といい、攻撃的な性格といい、明らかに攻めている「攻めもん」。特に悪事を行うわけでもなく、大阪城の周辺警備にあたる国家権力的な人たちがザワつき始めたので(ホント)メンバーは一旦退散することに。セメントの巨人駆逐業務はまだまだ続く…。
移動を始める攻めもん…
謎の巨人軍団「攻めもん」の一行は警察の警戒にもめげずに、大阪城での活動をやりきったようだ。ほっとしたのもつかの間、彼等は不敵な笑みを浮かべ、ゾロゾロと…いや、ヌメヌメと移動し始めているではないか。ようやく懲りたのだろうか。セメントメンバーはほっと胸をなでおろしたのであった。
帰り支度をする攻めもん、彼等の中にもきっと大人がいたのであろう。世間体というものを気にする者もいたのであろう。所帯持ちで新築を購入した攻めもんもいると聞く。この先ウン十年、ローンなり税金なり支払い続けるには、こんなところで捕まってはいけない。そんな強い意志さえも感じた。
ただ、帰り際に観光客へ写真をせがまれる、ポーズをきっちり決めるところは、やはり抜け目ない生物だ。
次なる目的地へと移動する彼等…
先ほどの少し人間味のある攻めもんはどこへやら。移動してきた彼等の様子がおかしい。どこかで強奪してきたバンを乗り捨てた先は、人気のない工場跡地。一体彼等はここで何をしでかそうというのか。
おもむろにバンから取り出したのは、何かの衣装なのかアレがない、コレがないなど喚き散らしている。ここはのどかな府内某所。午後の心地よい初冬の陽気が差し込む優雅な時間の中、彼等はいそいそと何かに着替え始めているではないか。
大阪城占拠では飽き足らなかったのか?!
そうか、ここは巨人たちの巣窟だ!
着替え終わった彼等を見て確信した。そうか、ここは巨人たちの巣窟だ。ここは工場の跡地ではない、あの壁があの場所ではないか。巨人たちが集まり始めた壁へと近づいてみるとする。そこには彼等の本当の姿があった!
そこには正真正銘の巨人たちが群れをなしていた。
なにやら楽しそうにしている者から、恥部を晒す者まで…
雄叫びをあげる巨人たち、ついに…
徐々に巨人たちが壁の前に集まりだした…
あけましておめでとうございます。
皆様、あけましておめでとうございます。最後まで見てしまいましたね。今年の年賀状も。毎年、通常の業務と平行にして進められる年賀状準備。スタッフも増えて大変ですが、待ちわびている(かもしれない)人たちのことを思って、今年もこのクリエイティブ巨人たちで皆様の期待にそえるように精進したいと思います。
今日も隣接する物件の壁を破壊しては増床を繰り返す、驚異的な力をもつ代表。唯一恐れるものは月末の支払い
代表の右腕、もとい右足として増床を手伝う脚部 シマ。その昔ずいぶんと悪事を行ってきたが、もう悪いことはできないパパ。
シマと共に代表を支えるミシ。激昂するとついつい故郷のヒンディー語が出てしまうが、最近規制していないので徐々に忘れてきている。
徹夜のし過ぎで巨大化してしまったエリレン。弱点がうなじだと思われがちだが、耳の穴を「フー」っとされる方がめっぽう弱い。
年賀状撮影では顔に塗料を塗られることが当たり前になってきているが、写らない耳の裏まで塗布されるのに誰も気づかないことが最近の悩み。
持ち前のコミカルさと高い意識で見事獣の巨人を演じきる。獣の巨人らしい怖さを大きく発揮したのがこの1枚。
巨人の調査よりもおいしいカレー屋さんを見つけることに心臓を捧げる調査兵団のウエ。好きな食べ物はもちろんベシャメルソース。
最近入団した新人調査兵団のヒラ。ペンダブを使った新たなギャグを開発するのに余念がない。
安定の真面目キャラで調査兵団からの信頼は厚い。しかし、こと恋愛に関しては目を疑いたくなるような不真面目さとだらしなさ。
素早い動きで他を圧倒し、格闘技に優れた雌型の巨人 ツナ。なぜか新幹線の切符を無くすのも素早い。
後光が眩しいウォール教司祭 ソヤ。出かけるとき娘が手をつないでくれなくなったのが最近の悩み。
人間よりもポテチを好き好んで食べる奇行種フタ。最近はもっぱら湖池屋よりもカルビー。油で汚れた手はもちろんズボンで拭う。
人間とスニッカーズを間違えるなどのコミカルな奇行を繰り返すケイタ。好きなお菓子はもちろんメントス。
アルコールを摂取しなくても奇行癖があるチエ。最近ハマっているのはコンビニの本をキレイに整列し直すこと。
気性の荒い奇行種 カナ。好きな韓国アイドルの動向チェックには余念がないが、好みの軸はよくブレる。
調査兵団、ヒラを上回るギャグマシーンの奇行種 ササ。道具に頼らないその磨かれた芸風は単純に「おじさん」化しているだけらしい。
同世代がどんどん結婚していくなか、婚式に出る度に次は私の番だと毎回思っている奇行種のミツ。ブーケに掛ける思いは人一倍。
休みの日は奥さんに仕事だと言いつつも、実は仲間と競馬に勤しむ奇行種シミ。酒に酔うと大体枝豆の皮が鼻に刺されているのは周知の事実。
レッドブルを飲み過ぎて翼よりも髭の勢いが収まらない奇行種 カツ。自らの体温を下げて消費カロリーを調整できることが特技。
徹夜のし過ぎで昼夜逆転生活になるが、そんなことより、人生形勢逆転にならないかなと密かに年末ジャンボに想いを託すウォール・マエダ。