2020 セメルヤンラプソディ

年末を控えた11月のある日のセメント事務所。先輩が後輩の髪をサイヤ人仕様にしていたり、売れないピン芸人のような様相で荷物を運んだりと、忙しくも平穏に見える日常の光景。
しかし、すでに魔の手は忍びよっていた。

パソコン画面を真剣に見つめるひとりの社員の胸元と頭部に変化が…！？他の社員の様子もなんだかおかしい…?

突如として、苦しげな呻き声をあげながら髪を掻き毟る社員たち…！！

「ヒゲが…！ヒゲがいきなり生えてきちゃいました〜〜〜〜」
女性社員にはなんと…立派なヒゲが！
引っ張ってもとれないのか、無理に引き抜こうとしては痛みに顔を歪ませている。

「うああああああああああ！！」
今度は男性社員の悲鳴が響き渡る。
その胸元に恐るべきスピードで胸毛が生えていく。わずかに口元が嬉しそうなのは気のせいだろうか。

「ウイルスは順調に広がっているな…よし、ここらへんでずらかるぞ」「アイツら、すっかり俺の変装に騙されやがって…。この調子で大阪中…いや日本中、世界中にこのウイルスをばらまいてやるZEEEEEE」

怪しげな二人組の正体は、宇宙から来たテロリストだったのだ。

「国王様！見てください！ウイルスの力で、大阪市民がどんどんとフレディ化を始めています！」
「我らの野望の成就は間近です国王…！」
「んんん〜、ええね。ええね。ちなみに今日二人はこの後空いてんの？空いてる？よっしゃ、それならプール行こか。その後はアブローラーで腹筋鍛えよな」

やけに筋肉にうるさい宇宙人テロリストたちがばらまいたのは、なんと「胸毛とヒゲが急激に濃くなり、頭部はオールバックになり、次第に自我を失くし、ただただフレディの歌声を求めてさまよい歩く屍（＝徹夜明けのデザイナー）になる」という…世にも恐ろしいフレディウイルス（通称Fウイルス）だった。

「アカン、今度は九州からの電話や！」
アイアンマン・カナヤの携帯電話には途切れることのない、町工場からの電話。
「ちょ、まだ靴下履けてへん！」
キャプテン・ミッシーマは氷漬けが長かった影響か、準備に手間取っているようだ。

「めっちゃ巨乳やん！」「鍛え方がちゃうねん」
なぜか乳繰り合うハルクアキラとマイティ・リョーマ。
キャプテン・エリコとスパイダーコギクは笑みを浮かべて余裕そうだが…。

こいつら、本当に世界を救う気があるのだろうか。
どう見ても「寒いし、ちゃちゃっとやって飲みに行こうや〜〜」な雰囲気を醸し出している。
風も冷たければ、周りの人々の目も冷たい。

これには今年セメンジャーズに加入したばかりのパンサーナカミチも不安を隠せない様子。「ホンマに大丈夫か、この人ら…」

腐ってもヒーロー！それがセメンジャーズ。やるときはやるヤツら。
それなら最初っからやれや！という野次は受け付けません。さあ、真剣勝負（セメントマッチ）のはじまりだ！！

やる気十分のガーディアン・オブ・トーキョーの面々に、雷を呼ぶマイティ・リョーマ。
コイツらが本気になったらもう大丈夫。最凶ウイルスに最高の逆襲（アベンジ）を決めてやるぜ。

あけましておめでとうございます。

皆さま、本年もどうぞよろしくお願いいたします。本年は、「ボヘミアンラプソディ」と「アベンジャーズ」の2本立てでお届けしました。お楽しみ頂けましたでしょうか。
弊社は本年度、皆さまの多大なご支援により、設立20周年を迎えることができます。これからより一層気を引き締めて、笑いとクリエイティブの力で日本のモノづくりを変える戦いを続けて参ります。
今年もよろしくお願いします。2020.1.1

PDFダウンロード