
琉球ガラス アート×工芸|gajullla
RGC株式会社
Works
Business development
オンライン地図プラットフォーム「Stroly(ストローリー)」を企画・開発・運用されている株式会社Stroly様よりご依頼を受け、福井県敦賀市のデジタルマップ『Dig the Local つるが 〜Gourmet & History〜』のデザインおよびアートディレクションを担当しました。
本マップは、2024年3月の北陸新幹線延伸開業に合わせて公開されたもので、「人道の港」「鉄道と港」など敦賀を象徴するテーマに加え、地元に根づく文化や知られざる魅力までを幅広く紹介しています。
さらに、ユーザーの関心に合わせて楽しめるよう、「鉄道と港のまち つるが満喫ルート」と「敦賀の文化と海の幸ルート」という2つのおすすめルートを選択表示できる新機能を実装。地域の歴史と食の魅力を、デジタル上で体感的に巡ることができるマップとなっています。


制作にあたっては、実際にチームで敦賀市を歩き、まちの空気や人々の暮らしを肌で感じながら取材を重ねました。既存の観光マップには掲載されていない、地元の方々しか知らないスポットや食文化、日常の中にある小さな魅力を一つひとつ丁寧に掘り起こし、そこから生まれたリアルな情報をマップに落とし込みました。
モチーフの数は300点以上。現地を訪れた方はもちろん、まだ足を運んだことのない方でも、このマップを見ることでまるで敦賀を歩いているような臨場感を感じられ、「行ってみたい」と心が動くような体験を目指してデザインしています。
マップでは、『鉄道と港のまち「つるが」満喫ルート』と『敦賀の文化と海の幸ルート』の2つのルートを中心に構成。敦賀のまちを象徴する「人道」「鉄道」「港まち」「文化」「歴史」をテーマに、温かみのある手描きのイラストで楽しく表現しました。地域の空気感や人のぬくもりが伝わるような、歩いてみたくなるデザインを目指しました。








『Dig the Local つるが 〜Gourmet & History〜』のタイトルロゴは、敦賀市を象徴する「人道の港」と「鉄道と港」という2つのキーワードを軸にデザインしました。ユダヤ難民を受け入れた“人道の港”としての歴史を象徴する足跡のモチーフと、鉄道のまちとしての象徴である線路の意匠を掛け合わせ、敦賀の過去と現在、そして未来をつなぐビジュアルとして表現しています。
地域のストーリーをタイポグラフィの中に織り込み、見る人が“敦賀らしさ”を直感的に感じ取れるロゴデザインとしました。

マップ全体のデザインテイストに合わせ、オリジナルのピンアイコンを制作しました。敦賀のまちの温かみや人の気配を感じられるよう、手描きの風合いを残したデザインに仕上げています。グルメ、歴史・文化、ホテル・旅館など、それぞれのカテゴリーごとにモチーフやカラーを微妙に変化させ、視覚的にも楽しく、直感的に情報を得られる構成としました。

現地での認知拡大を目的に、ポスターやフライヤー、SNSバナーなどのプロモーションツールを制作しました。利用方法をわかりやすく併記することで、観光客が手持ちのスマートフォンからすぐにアクセスし、気軽にマップを楽しめる導線を整えています。
まずはマップの存在を知ってもらうことが何より重要であり、現地での視認性とデジタルへの誘導を両立したツールとして設計しました。印象的なビジュアルと分かりやすい導線により、幅広い世代の来訪者に活用していただけるデザインとなっています。



本プロジェクトは、2024年3月の北陸新幹線延伸開業を機に、多くの人に敦賀の魅力を再発見してもらうことを目的に制作しました。地域を歩き、人々の声を聞きながらつくり上げたこのマップは、単なる観光案内ではなく、敦賀の「人」「文化」「歴史」「風景」がつながる新しい旅の入口です。
これからも、デジタルを通して地域の個性や温度を伝え、訪れる人とまちとを結ぶ“ローカルの新しいかたち”を提案していきます。