
大阪駅イベント空間設計 | EXPO OSAKA STATION
JR WEST STATION CITY Co.,LTD.
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Promotion
沖縄県糸満市に本社を構える琉球ガラス工房「RGC株式会社(琉球ガラス村)」と共同で立ち上げたアートプロダクトブランド「gajullla(ガジュラ)」は、沖縄に伝わる精霊“キジムナー”の精神性を軸に構想されたブランドです。キジムナーの持つ「いたずら好きな子ども」のような遊び心と、自然を見守る存在としての守護性という二面性を、gajulllaでは一つの器に共存させる造形美と物語性で表現しています。
ブランド名は、“精霊が宿る木”として知られる「ガジュマル」と、生命の連なりや自然の循環を象徴する螺旋「ら(spiral)」を掛け合わせた造語で、「ちゅら(美しい)」という沖縄の言葉の響きも内包。自然・精霊・生命・美しさが共鳴するブランドネームとして設計されています。
技術面では、RGC創業当初に行われていた伝統技法「綱まき」を再解釈・再構築。職人の手仕事によって、ガラスにロープを巻きつけたような螺旋構造や、目のようなモチーフを宿す造形が生まれています。この“目”は「見る/見守る/宿る」という象徴性を備え、ブランドに込められた“守る存在”としての意味を静かに語りかけます。
素材は現時点でリサイクルガラスを使用していませんが、ブランドの根底には「再生・循環・命の連なり」という思想が通底しており、今後は再生素材や廃材との融合も視野に入れた展開を構想中です。
CEMENT PRODUCE DESIGNは、本プロジェクトにおいてブランド企画・クリエイティブディレクションをはじめ、プロダクト設計、ネーミング、アートディレクション、ロゴ設計、キービジュアル・LP・ムービー制作、パッケージ・販促ツール制作、販売プロモーションまでを一貫して担当。gajulllaの世界観を立ち上げから総合的に支援しています。

沖縄に古くから伝わる精霊「キジムナー」の“守護”と“遊び心”という二面性を出発点に、琉球ガラスの伝統技法「宙吹き」や、RGC創業初期の独自技術である「綱まき」を再解釈。
螺旋や重なりといった有機的なフォルムを用いて、生命の循環や人とのつながりを象徴する新たな琉球ガラスの造形を提案しています。
プロダクトは、カップ、デカンタ、カラフェ、キャニスターなどを展開。積み重ねて使える構造で、飾っても楽しいアートピースとして設計されています。


ブランド名「gajullla(ガジュラ)」は、精霊キジムナーが宿るとされる“ガジュマルの木”を起点に、「spiral(螺旋)」「ちゅ(沖縄方言で“人”)」「美しい」の意味を組み合わせた造語です。
「自然とともに生きる営み」や「命の再生・循環」といった思想を込めています。
gajulllaの象徴である“輪っか耳”は、RGCが創業当初に瓶の取っ手などに使用していた独自の「綱まき」技法を着想源としています。
この技法は高度な熟練を要する非常に難易度の高いガラス技術であり、現在ではほとんど用いられていない希少な手仕事です。
gajulllaではこの技術を再構築し、命の循環やつながりを象徴する螺旋として昇華させました。
また、印象的なツートンのグラデーションと“目”のように見えるエネルギッシュなモチーフが、琉球ガラスならではの透明感と重なり合い、唯一無二の存在感を放ちます。
その色彩は、沖縄の空・海・植物といった自然風景を想起させる構成となっており、日常に彩りと力強さを添えるアートピースとしての魅力を備えています。
さらに、カップやカラフェなどの各アイテムは積み重ねることでフォルムが完成する遊び心のある構造となっており、機能性というよりは、アート性や楽しさを体感できる設計が特徴です。





ロゴは、3つの“l(エル)”が手書きや筆記体で螺旋のように見えるよう設計し、ブランドに込めた「螺旋」や「成長」のイメージをタイポグラフィで可視化。
キービジュアルは「このブランドが沖縄の自然や文化を守る力になれたとき、きっと楽しい未来が待っている」という願いを出発点に、希望に満ちた自由でポップな世界観として描いています。


gajulllaの公式サイトでは、ビジュアル重視のUIと余白を活かした構成により、ブランドの世界観やプロダクトの造形美がオンライン上でも伝わる設計に。
コンセプトコピーや製品説明もブランド思想と造形背景に基づいて丁寧に設計しました。
▶︎ ブランドサイト(https://www.ryukyu-glass.co.jp/gajullla/)


ブランドの精神性や職人の手仕事を伝えるショートムービーを制作。
幻想的な映像演出とガラスのきらめきを通して、gajulllaの世界観を五感で感じられるコンテンツに仕上げました。

gajulllaの世界観やプロダクトの特徴を、展示会や店頭でも直感的に伝えるための三つ折りリーフレットを制作。
ブランド名の由来やキジムナーのストーリー、象徴的な“輪っか耳”や積み重ねフォルムの解説、商品の活用イメージなど、手に取った人がブランドの背景と魅力に自然と触れられる構成に。
ビジュアルとテキストのバランスを工夫し、プロダクトの「遊び心」と「守護」の精神が印象づけられるデザインとしています。


今後は、再生ガラスの技術的活用の検討や、売上の一部を沖縄の自然保護・文化継承活動への寄付に充てる仕組みづくりを視野に入れています。
ブランドを通じて琉球ガラス職人の新たな活躍の場を生み出し、沖縄のものづくり文化全体の“再生”に寄与していくことを目指しています。