
学びの未来を描くブランディングデザイン| 未来知図 / CafEducatioN
株式会社未来知図
Works
Branding, Promotion
栃木県鹿沼市で国産材を使用した木工製品を生産する星野工業株式会社様と共同開発したブランド「THOOK(スーク)」です。
セメントプロデュースデザインでは、企画、ブランドネーミング、ロゴ、プロダクトデザイン、パッケージデザイン、展示会ブースデザイン、プロモーション活動(展示会出展・OEM受注促進)まで、一貫したクリエイティブディレクションを担当しました。
鹿沼という木工産地が持つ高い加工技術と素材の魅力を活かし、新たな価値として発信していくブランドづくりに取り組みました。

栃木県鹿沼市は、木工の街として知られています。東京から100km圏に位置し、日光東照宮と足尾山地に挟まれた地理的特性から、物流の要所として発展してきました。市内の約7割を森林が占める自然環境の中で、古くから林業と木工業が盛んに行われてきた地域です。
日光東照宮の造営時には、全国から宮大工や彫刻師、彩色師など多くの職人が集まり、その技術が鹿沼に根付き、木工の伝統的な技術基盤が築かれました。その後も鉄道の開通や震災復興による建築需要の高まりを背景に、木工業は地域の基幹産業として発展。現在も鹿沼木工団地として、その歴史と技術の蓄積を見ることができます。


星野工業株式会社は、1945年に桶屋として創業し、日本古来の木製品を一貫して作り続けてきた木工メーカーです。長年培ってきた技術を活かしながら、時代の変化に対応した製品開発にも積極的に取り組んでいます。
また、間伐材の有効活用など環境への配慮にも力を入れており、森林資源を未来へつなぐものづくりを重要な役割として捉えています。
こうした産地の背景と企業の姿勢を踏まえ、本プロジェクトでは鹿沼の木工技術を新たな価値として再編集し、発信していくブランド開発を行いました。


目指したのは、「木を超えた木の器」。
これまで加工が難しいとされてきた杉や檜といった針葉樹を、極限まで薄く削り出す技術によって、従来の木製品のイメージを覆す軽さと美しさを実現。
鹿沼の素材と技術を“体験として伝えるプロダクト”として再定義し、国内外に発信していくブランドとして設計しました。



プロダクトは、口当たり1mm以下という極限の薄さを実現した木製カップ。
職人の手の感覚によって仕上げられる繊細な研磨技術により、驚くほどの軽さと口当たりの良さを実現しています。
形状は、口元の広がりから中央のくびれ、底部へと続く曲線によって構成され、持ちやすさと飲みやすさを両立。
また、上部は薄く、下部は厚みを持たせることで安定性を確保し、「薄いのに倒れにくい」構造としています。














ブランド名「THOOK(スーク)」は、“Thin Wood Kanuma”を語源とした造語であり、日本語の「すくう」という音とも重ねることで、記憶に残りやすくプロダクトの特徴を直感的に伝えるネーミングとしました。
ロゴは、木を想起させる構造的な文字設計とアウトライン表現によって構成。
削り出された器の“薄さ”や繊細な技術を視覚的に伝えるとともに、ナチュラルで上質な印象を与えるデザインとしています。


パッケージは、プロダクトの繊細さと上質さを引き立てるミニマルな構成とし、ギフトとしての価値を高める設計としました。
また、カップ単体にとどまらず、ギフト用途を見据えた展開や展示会出展を通じて、国内外への販路開拓を推進。
OEM受注にもつながるよう、ブランドとプロダクトの魅力を一体的に伝えるコミュニケーション設計を行っています。




本プロジェクトは、鹿沼という産地が持つ技術と素材の価値を、現代の視点で再編集し、世界へ発信していく取り組みでした。
“木の器”という既存の概念を超え、新たな体験価値として提示することで、ものづくりの可能性を広げる。
THOOKが、鹿沼の木工文化を未来へつなぐ新たなきっかけとなることを願っています。

