
大阪 氷削機ブランド「SWAN」シリーズ 新プロダクトデザイン |aile SI-170A
池永鉄工株式会社
Works
Branding
福井県鯖江市の三大地場産業の一つ、越前漆器。
その産地で日々新たなものづくりに挑む土直漆器さまと共に、白檀塗を施したブランド「VYAC(ビャク)」を立ち上げました。
白檀塗は、銀箔で蒔絵を施した上に透き漆を重ねることで模様が浮かび上がる、古来より受け継がれてきた技法。堅牢さと奥行きある色合いを兼ね備え、使い込むほどに風合いが変化するのが特徴です。
セメントプロデュースデザインは、企画・商品デザイン・ブランド設計・プロモーション・展示会ブースデザインまで一貫して担当。伝統技法を現代のライフスタイルに接続するブランド構築を行いました。


越前漆器について
越前漆器の歴史は約1500年前に遡ります。かつては全国の漆かき職人の半数を占めたとも言われる一大生産地として発展。現在では業務用漆器の約8割を担う産地として広く知られています。堅牢で美しい色合いという産地特性を背景に、伝統技法を現代のプロダクトへ昇華する挑戦がVYACです。




ブランドの象徴ともいえるプロダクト。
手に馴染む曲面設計により、漆の奥行きと光の変化を最大限に引き立てました。
白檀塗ならではの銀箔の表情は、使い込むほどに明るさを増し、持ち主ごとに異なる風合いへと変化。和モダンな佇まいの中に、経年美を楽しむ思想を込めています。



日常的に触れるプロダクトだからこそ、漆の存在感をより身近に。
堅牢さを備えた白檀塗を採用し、現代的なプロダクトと伝統技法を融合しました。
使うほどに深みが増し、時間とともに表情が変化するケースです。

白檀塗の艶を引き立てるミニマルな構成。
装飾を削ぎ落とし、漆の美しさを一点に凝縮しました。




角を落とし丸みを持たせたVYACらしいフォルム。
天面に緩やかな凹みを設け、ペントレーとしても使える設計としました。
曲面が漆の艶を柔らかく反射し、奥行きある光の変化を演出。塗りを重ねることで耐久性も高めています。



漆の上品な艶と滑らかな曲面が際立つ一本。
これまでにない造形で、白檀塗の表情が最も美しく見えるフォルムを追求しました。
手に持った瞬間の質感と重量感まで含めて設計しています。







VYACの特徴の一つが、白檀塗の上に施されるオリジナルパターンデザインです。
伝統文様をベースにしながら、単なる再解釈ではなく、プロダクトの曲面や光の反射を計算した設計を行いました。漆は光の当たり方によって表情が変わる素材。その特性を活かし、柄の密度や強弱、線の流れを細かく調整しています。
和柄の代表格である唐草模様をモダンに再構築。
シルエットとスケッチ風の葉を組み合わせ、つながりやご縁を象徴する蕾を織り込んでいます。名刺ケースという“人と人をつなぐ道具”に込めた意味を、模様そのものに内包させました。

波間を飛ぶ千鳥は「夫婦円満」「家内安全」「荒波をともに越える」という意味を持つ吉祥文様。
プロダクトの曲面を“波”に見立て、千鳥のサイズに強弱をつけることで漆の奥行きをより引き立てる設計としています。

霞、麻、松、池など日本庭園の要素を抽象化し、カモフラージュパターンとして構成。
一見モダンな柄の中に、太鼓橋や石灯籠といったモチーフを潜ませ、日本の美をさりげなく感じられる設計としました。

魔除けの意味を持つ縁起の良い鱗文様を、幾何学的に再構成。
富士山や山脈、波しぶき、湖面の波紋など、日本の自然風景を抽象化し、スケール感のあるモダンなパターンとして展開しました。
力強さと品格を併せ持つデザインです。

青海波をベースに、水引のように途切れることなく連なるラインで構成。
“幸せが永遠に続く”という願いを込めた、縁起の良いパターンです。
シンプルな構造の中に、白檀塗の艶と奥行きが際立つデザインに仕上げました。

ブランドの世界観を象徴する真紅のパッケージを採用。
漆を想起させる深みのある赤で、越前漆器らしい存在感と日本らしさをモダンに表現しました。表面には黒の箔押しでロゴを配置し、越前漆器や白檀塗の説明をグラフィカルにレイアウト。
伝統工芸の背景をただ文字で語るのではなく、ビジュアルとして昇華させることで、上質で品格ある佇まいに仕上げています。箱を手に取った瞬間から、
“漆のブランドである”ことが直感的に伝わる設計としました。

漆の象徴的な赤を背景に、万年筆の存在感あるフォルムを強調。
越前漆器の可能性と、現代プロダクトへの展開力を印象づけるビジュアル設計です。

白檀塗の工程や技法背景が伝わる構成で制作。
伝統技法への理解を深めながら、ブランド世界観を体験できるツールとしています。

VYACは東京ギフトショーへ出展。
セメントはブースデザインの設計だけでなく、会期中は事業者さまと共にブースに立ち、バイヤーへの営業活動まで伴走しました。ブースはブランドの世界観を踏襲した真紅を基調に構成。
会場内でもひときわ目を引く存在感を放ちながら、壁面には白檀塗の工程(木地 → 銀箔 → 透き漆)を視覚的に理解できるアートパネルを設置し、商品の背景や価値が自然と伝わる空間を設計しました。単に「展示する場」ではなく、
伝統技術の物語を語れる場としてブースを構築。さらにセメントは、
商品説明や価格設計、ターゲット設定を踏まえた営業トークの整理まで行い、実際の商談にも同席。
デザインの意図やブランドの思想を、バイヤーへ直接届ける役割も担いました。“つくること”と“届けること”は、切り離せない。
VYACプロジェクトでは、企画・デザイン・展示会・営業まで一貫して伴走することで、ブランドの価値がきちんと市場へ届く仕組みづくりを行いました。

VYACは、越前漆器の伝統技法を“守る”だけでなく、“現代に活かす”ことを目指したブランドです。
経年変化を楽しみながら長く使うプロダクト。
使い手の時間とともに完成していく漆の美しさを、日常の中で感じていただければ幸いです。
こちらのアイテムはオンラインショップにてご購入いただけます