管楽器部品加工業 真鍮ブランド開発|BRASSCENE

静岡県湖西市にて、1971年の創業より管楽器部品の製造を専業としてきた山本工業有限会社様の、新たな挑戦となる自社ブランド立ち上げプロジェクトを担当いたしました。半世紀にわたり、職人の手仕事によって磨き上げられてきた真鍮の精密加工技術。その卓越した技術を、音楽の世界とは異なる新たなフィールドへと転換し、企業の次代を担う柱を築くことが今回のプロジェクトの大きなテーマです。

分析/ANALYSIS

競合調査

ブランドの方向性を定めるにあたり、多角的な市場調査と競合分析を実施しました。アウトドア、日用品、文具、アロマといった真鍮の親和性が高い複数の市場を対象に、既存製品の価格帯や素材活用、ブランドイメージを精査しています。 調査の結果、例えばアウトドア市場ではガレージブランドの台頭により「素材感」や「育てる道具」への需要が高い一方で、管楽器製造レベルの精密な金属加工技術を全面に打ち出した競合は少なく、ここに山本工業様の技術を活かす商機を見出しました。

開発/DESIGN

ネーミング・ロゴ開発

この分析を経て、ブランドの核となるアイデンティティは、真鍮を意味する「Brass」と景色を意味する「Scene」を組み合わせた造語「BRASSCENE(ブラシーネ)」に集約されました。ロゴデザインには「PLAY THE HEART(心を奏でる)」というタグラインを添え、管楽器のパーツを彷彿とさせる意匠によって、職人の精密な手仕事と素材への深い造詣を象徴させています 。単なる道具を超え、持つ人の豊かな暮らしのシーンを奏でるパートナーとしての姿を追求しました

プロダクトデザイン

フラッグシップ製品である「バイオエタノールランプ」の開発では、管楽器製造特有のろう付けや磨きなどの高度な技術を、過酷ながらも情緒的な環境で使うプロダクトへと昇華させました。理想的な厚みのガラスを支えるチャネル(受け)を限界まで細く削り出し、真鍮の土台にはヘアライン加工を施すなど、楽器部品メーカーらしい緻密な設計と機能美を両立させています。さらに、火消し蓋の径を受け皿と合わせるなど、手に取った瞬間に楽器特有の品格を感じられるような仕上がりを目指しました 。

ブランドムービー

ブランドの世界観をより深く伝えるため、地元の映像制作会社と協力し、ブランドムービーを制作いたしました。撮影には実際のアウトドア好きのスタッフにも出演いただき、リアルな使用シーンを通じて、真鍮の輝きが自然の中に溶け込む美しさや、炎を囲む豊かな時間を等身大の視点で描いています。

流通/PROMOTION

ECサイト

販売の基盤となるECサイトは、スタートアップ時のコストパフォーマンスと運用後の更新性を加味し、BASEを活用して構築。店頭に並ばないEC主体の販売形態であることを踏まえ、パッケージ自体はシンプルなダンボールを採用してコストダウンを図りつつ、ロゴステッカーやスタンプを施す仕様を提案しました。これにより、ブランドの重厚感を損なうことなく、オプションパーツの追加発送などにも柔軟に対応できる高い汎用性を持たせています。

展示会ブース設計

ブランドの認知を図るべく、国内最大級のアウトドアイベント「FIELDSTYLE EXPO」に出展しました。展示ブースのデザインでは、空間そのものを一つの「シアター」に見立て、バップテントを活用したドラマチックな演出を行っています 。大人のガレージや上質なリビングをイメージした空間の中に、実際の管楽器とともに製品をディスプレイすることで、ブランドの出自を視覚的に訴求しました。小物装飾に至るまで可能な限り真鍮でコーディネートされた空間は、素材の持つ温もりと輝きが、訪れる人々の日常を豊かに彩るひとときを提案しました。

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